皆様こんにちは。
前回の『誰かを嫌いになりそうになったら』の記事で
『「この人は、こんな人だ」
と一度イメージを持ってしまうと
それがその人を覆うベールになって
他の良い部分が見えなくなってしまう』
と書きました。
今回はこの延長で
日本史から「人のイメージ」について考えてみます。
主人公は『織田信長』。
皆さんは、信長にどんなイメージを持っていますか?
・父親の葬式に粗野な服装で登場し
焼香するかと思うと抹香をつかんで仏前に投げた!
・自分は病気と嘘をついて弟を呼び寄せ、そのまま刺し殺す!
・超優秀な明智光秀を折檻!
などなど、他にも「残酷だなぁ」と思うエピソードが
たくさんあります。
何たって、あだ名が
『第六天魔王』ですからね。
残虐。非道。直情径行。短気。俺様。
こんなイメージが浮かぶのではないでしょうか?
でも資料を読むと
違う信長像が浮かび上がってきます。
戦国一のメモ魔・太田牛一が書いた
『信長公記』を見てみましょう。
・天文23年(1554)、村木城を朝8時〜夕方17時までかけ
*泣くと言えば、最愛の側室・
血も涙もなさそうな信長、実は涙もろいのかも。
・歌や踊りが好きな信長は、ある時愛知県の津島(現・津島市)で
お年寄りはみんな感動して泣いたそうです。
フレンドリー信長です。
・朝倉義景と対峙していた時、
信長はパワハラ上司のイメージですが、何か優しいですね。
私が一番好きなのは、次のエピソード↓
・美濃と近江の国境にある道のほとりで、
そして後日、信長が急遽京に上ることになった時のこと。
山中で馬を止めると、町の者を全員呼び出し、
第六天魔王どころか、慈悲深いお坊さんのようです。
・安土城の内覧会(当時としては画期的な建築だったので、
最後にお茶目な信長。入場者はさぞびっくりした事でしょう。
どうでしょう?
多少盛っているかもしれませんが
違った信長像が見えてきますね。
他にも
将軍の足利義昭を操っていた、というのも少し事情が違います。
実はこの将軍がとんでもないバカ殿で
天下静謐のために
自ら憎まれ役を買って将軍を諌めたのです。
バカ殿はここでもキレて、信長包囲網をひいたのですが
最後は捉えられてしまいます。
家来が「将軍を殺しましょう!」
と声をそろえて言いますが
「命だけは助けて、俺と将軍とどちらが正しかったか、
と言って、
自分に刃向かった者は絶対に許さない!というイメージですが
実は完全に追いつめないのも信長です。
荒木村重、松永久秀など、
私だったら、手塩にかけた部下にそんな事されたら
そんな余裕を持てないと思いますが(笑)。
こんな感じで、信長一人を取っても
世間に流布するイメージとは
違った一面も見えてきますよ。
歴史は本当に面白いですね!
参考資料『信長公記』
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編集後記:
古文書を速読できるという磯田道史先生に
本気で弟子入りしたいと思う今日この頃です。
先生の本は多分全部持ってます!