皆さまこんにちは。
前回は、「運のいい人」が持つ
「ネガティブ感情」と「ポジティブ感情」の
黄金比率をご紹介しました。
人生が上手く回り出すか、それとも後退してしまうか
それは「ネガティブ感情」と「ポジティブ感情」の比率が
「1:3」になっているかどうかでしたね。
フレドリクソン教授とロサダ氏が提案したこの黄金比率は
その後1000を越える学術論文に引用されました。
でも実は
この比率に異を唱えた研究者もいます。
ブラウン氏、ソカル氏、フリードマン氏の三名です。
彼らはロサダ氏の数式の不完全さを論じ
そもそも具体的なティッピングポイントは
存在しないと結論付けました。
その批判を受け
フレドリクソン教授は数式の不備を認めましたが
一方でポジティブ感情がネガティブ感情の3倍を越えるグループには
それを下回るグループと明らかな違いがあると
いくつかのケーススタディで証明しています。
全体的な議論を見てみると
全ての人に一つの数字を適応しようとしたのが問題のようです。
年齢などによって若干のばらつきはあるものの
総じてポジティビティを上げることは
良い人生を送るためのゴールには間違いありません。
そこで今回は
日常で「意識的に」ポジティブ感情を増やすコツを5つご紹介します。
「毎日が不安やストレスで押しつぶされそうなのに
どうやってポジティブ感情を増やせばいいんだ」
と感じる方も、参考にして下さい。
1. 瞑想する
2.
何年も瞑想している僧たちは、脳の「左前頭葉前部皮質」という部分が普通の人より発達しています。この部分は、幸福感を感じる部分でもあります。瞑想といっても、難しくありません。一日五分でもよいので、目を閉じてゆっくりとした呼吸に意識を集中してみましょう。瞑想はリラクゼーション効果・ストレス減少・免疫力の向上など幅広いメリットがあります。
2. 人に親切にする
誰かに「喜んでもらえる行動」を増やしてみましょう。利他的な行為はストレスが軽減され、自分の幸福度が上がることが証明されています。一日に五つ何か親切は行為をするように指示された人たちは、それをしなかった人たちに比べはるかに幸福度が上がり、かつ幸せ感がその後何日も続いたという研究もあります。大掛かりな事でなく、後ろの人のためにドアを開けてあげるとか、その程度でも構いません。
3. 運動する
運動すると、快楽をもたらすエンドルフィンやセロトニンが分泌されます。うつ病の患者を3つのグループに分け、1つ目のグループには抗うつ剤を処方し、2つ目のグループには抗うつ剤に加えて週3回45分間の運動、3つ目のグループには週3回45分の運動を課しました。そして六ヶ月後うつ病の再発率を調べたところ、1つ目と2つ目のグループは38%ほどうつが再発していましたが、運動だけしていたグループの再発率は、わずか9%だけだったそうです。
4. 楽しい計画を立てる
旅行や何かの趣味など、楽しい計画を立ててみましょう。実際に旅行している時より、計画を練っているときの方が、幸せ度が高いという研究もあります。
5.モノを買う以外にお金を使う
バッグや時計などのモノを買っても、その幸せは長続きしません。形としては残りませんが、外食や旅行など思い出になることにお金を使ったり、人のためにお金を使ったりすると幸福度が上がります。
幸福度を上げるのに
一番大切なのは「出来事への意味付け」を変えることです。
でもここにとりかかるには
ちょっとした意気込みが必要です。
今日ご紹介した5つのポイントを普段から実践し
トータル的なポジティブ感情の量を底上げしてみましょう。
それでは、良い連休をお過ごし下さい!
参照:
『幸福優位1つの法則』ショーン・エイカー
Fredrickson, B. (2013). Updated thinking on positivity ratios. American Psychologist, Vol 68(9) doi:10.1037/a0033584
Brown, N.L., Sokai, A.d., & Friedman,H.L.(2013). The complex dynamics of wishful thinking : The critical positivity ration. American Psychologist, 68, xxx-xxx.doi:1037/a0032850
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編集後記:
足立区の辰沼小学校では、いじめ撲滅のために
「学校を楽しくするプロジェクト」を生徒主導でしているそう。
「学校が楽しければ、他の子をいじめる気にならなくなる!」
生徒代表のグループは、このスローガンをもとに
けん玉選手権や、フラッシュモブのイベントを企画してきました。
実に理にかなっています。本当に素晴らしい子供達ですね!
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