Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

 柊のメルマガ   ~No.86体験していないはずの記憶が作られる理由〜

皆様こんにちは。

 

前回のメルマガで

「前世記憶のほとんどは作られた記憶」

というのをお話しましたね。

 

バックナンバーは下記からもご覧頂けます。

http://goo.gl/DdgPko

 

今回は、その「ウソの記憶」が

どうやって作られるかお話しようと思います。

(*本人は「ウソの記憶=本当の記憶」と思っています)

 

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「記憶が変わる」というのには

2つの意味があります。

 

1.    ある出来事があって、その後事実とは異なった記憶が作られる

2.    出来事そのものがないのに、架空の記憶が作られる

 

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1.    の例としては、犯罪の目撃者が

実際見た犯人の顔を全くの別人として思い出してしまうこと。

 

2.    の例が、前回お話した「前世」などの記憶です。

 

この2.「実際に体験していない出来事の記憶」を

「フォールスメモリー」と言います。

 

フォールスメモリーに関して

以前TV番組などでも取り上げられていた有名な実験があります。

 

実験では、参加者の家族から子供の頃の思い出の写真を

3枚提供してもらいます。

(この3枚の写真を「実際にあった出来事」の条件とします)

 

そこから更に1枚、参加者が子供だった頃

家族と一緒に写っている写真も提供してもらいます。

そしてこの1枚の写真を画像編集ソフトで切り取り

それを気球の写真と合成させて

あたかも参加者が子供の頃

家族と気球に乗ったかのような偽の写真を作り出しました。

 

そして「実際の思い出」と「気球の偽の思い出」について

7~16日の間に合計3回インタビューを行いました。

 

「気球に乗った思い出について、細かいものでも構わないので

何か話してくれませんか?」という具合です。

 

すると、1回目のインタビューでは20人中7人の参加者が

実際にない気球の思い出を話し始めました。

 

そして3回目では

実に50%の参加者が

フォールスメモリーを作り出したのです。

 

「当時小学生で、確か10ドルで気球に乗れて20m位上がったんですよ」

「ママが下にいて、写真を撮ってくれたのは確かです」

という風に。

 

なぜこのような

フォールスメモリーが作られてしまうのでしょう?

 

長くなってしまうのでシンプルにしますね ^ ^;

 

1.    その記憶が事実であると思い込む

2.    それについて思い出そうとすると

関係ない色々な記憶の断片が思い出される

3.    想起された様々な記憶の断片がつなぎ合わされると

「その時」の記憶が蘇ってきたと捉えてしまう

4.    一貫したフォールスメモリーが完成される

 

……いかがでしょうか?

にわかには信じ難いですけれど、そうなんですね。

 

フォールスメモリーでは「イメージ化」が肝なのですが

あるものを想像してイメージ化すると

実際に生じた知覚とイメージ化によって生み出されたものが

区別できなくなってしまうのです

 (これを「イメージ膨張効果」といいます)

 

いやはや

妄想族の私にとってはドキリとする内容です。

 

本当は自分の中にある記憶の多くが

書き変わっているか

実際には存在しない出来事の可能性もありますね。

 

また別の機会に話せたらと思いますが

今懸念されているのは

「偽の記憶を植え付ける」という技術なんです……

 

 

 

参照:

『つくられる偽りの記憶 あなたの思い出は本物か?』越智啓太 DOJIN選書

 

 

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編集後記:

 

昨日新宿の伊勢丹前を歩いていたら

あの『デロリアン』がありました!!

Back to the Future 30thのエピソードは

何だかどれもホロリと来てしまいます。

米のトヨタCM

日本でも放映して欲しいです!