先日、私が主催する『感情美人学』の大阪講演で
ある方からこんな質問を頂きました。
「実は今、買おうかどうか迷っている物があるんです。
私にとってはかなり高価なものなのですが
それがあるとこれからとても生活が快適になります」
誰でもこんな迷いを持った事があると思います。
今回はその迷いを解決するプロセスをご紹介しましょう。
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まず前提として
「物の価値はそれを手にした瞬間から下がる」
という事実を理解して下さい。
理由は、それがない頃は憧れだった生活が現実になる事で
「快適!」と感じる事がスタンダードになる為です。
次に
そのお金を出費した事で生じる
「最悪の事態」を分析します。
例えば
今迄使えていた遊興費が少なくなる
外食ができなくなる、などが考えられますね。
そしてこれを受け入れられるかどうか考えます。
上記2つがクリアして
「良し、買おう!」となった時、次に湧いてくるのが
「でもこれ買って後悔したらどうしよう……」
という恐怖です。
実は
その「物」や「出来事」自体が良いか悪いかより
決定を下した時の”自分の環境”が後悔に大きく影響します。
後悔には2種類あります。
1つは「変化を起こさずに生じる後悔」。
もう1つは「変化を起こして生じる後悔」です。
今回は後者のケースを取り上げます。
①「前の経験がネガティブ」であった場合
例えば
「去年行ったA温泉の露天風呂が芋洗い状態だったので今年はB温泉を選んだら、露天風呂は改修工事中だった」という場合
余り後悔しません。
でも
「去年のA温泉の露天風呂も快適だったけど、今年は趣向を変えてB温泉に行ったら工事中だった」
という場合は
前の経験が特に悪い訳でもないのに変更してしまったため
後悔が強くなります。
②決定における「自分の責任が重い」場合
自分で決断した! と思える場合
主体性が生まれるので
たとえ失敗しても後悔しにくくなりますが
誰かの判断に従って何となく決めてしまうと
後悔しやすくなります。
③決定した「判断に自信がある」場合
その決定に強い自信がある場合
他の選択を考える可能性が低くなる一方
自信のない決定をした場合は
他の採りうるべき決定との間で迷いが生じるので
「反実仮想(もしこっちならこうなのにな〜というイメージ)」
が強くなってしまうので、後悔する気持ちも大きくなります。
つまり、決断を後悔するかどうかは
「自信の有無」が大きな影響を与えているのです。
「自信がある」というのは
言葉を変えると「自己効力感」が強い人。
例えば
「自分は本番に強い」
「転職は上手く行く」「恋愛には自信がある」
という気持ちを持っている人です。
最初の質問に戻れば
「その製品を買えば自分の将来が間違いなく明るくなる」
という点に確信を持っていれば
買っても後悔しにくくなる
という事が言えるでしょう。
いかがでしたか?
悶々と悩むより
手順を追って考えると
色々な事がスムーズに決断できるようになりますよ。
参照論文:
『意思決定における後悔:現状維持が後悔を生むとき』
2007 道家瑠見子・村田光二
『自信があれば後悔しない』2015 中西大輔・志和資郎
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編集後記:
シルバーウィークは宮城の蔵王に行きます。
白石蔵王で降りるので、片倉家の博物館にも行きたいです。
片倉家は、敵だった真田家が「この若武者になら娘を任せられる!」
と判断し、庇護を願い出て、後年に結婚した、
というドラマみたいなエピソードがあります。
懐が深いです。
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