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柊のメルマガ
~No.62 傷を隠せば自分に負ける〜
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~No. 62傷を隠せば自分に負ける~
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『人間、古疵(ふるきず)でも大威張りで見せて歩くことだね。
そうしなけりゃ、己(うぬ)が己に負けるのだ』
“ 過去の傷を隠している限り
自分に負ける ”
これは、松本清張の時代小説『無宿人別帳』
の一説です。
ごくごく簡単にストーリーを要約すると...
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時は江戸。
卯助(60)は飴細工を細々売る貧乏暮らし。
そんな折り、運良く娘と料理屋に奉公できる事になる。
律儀に下働きする父娘は店の者の覚えもめでたく
ささやかながら満たされた日々を過ごしていた。
一方卯助は、自分の素性を明かそうとしない。
左腕にはずっとボロ布を巻いているが
その理由については、火傷を負って傷が醜い、
という事しか話さない。
そんな折り、店に盗賊が入り
給仕をしていた娘と客を縛り上げていると知らされる。
家に戻っていた卯助は踵を返し
店にたむろっていた悪党を
老人とは思えない身のこなしで跪かせる。
すると、悪党の中の一人・熊五郎が卯助を見て
「蜈蚣(むかで)の兄哥(あにい)じゃねえか!」
と言って、許しを請う。
実は、卯助は昔相当の悪人で
腕の入れ墨を布で隠していたのだった。
店の皆の前で素性が明らかになった卯助は
店の奉公を辞めて飴細工売りに戻ると言う。
真当になった兄哥に「迷惑を掛けた」
と言って謝る熊五郎に向けて
卯助が言ったのが、次の台詞。
「なに、構わねえ。
なまじおれが弱みを隠していたからだ。
人間、古疵(ふるきず)でも大威張りで見せて歩くことだね。
そうしなけりゃ、己(うぬ)が己に負けるのだ。
明日から、また、子供相手の一文飴売りだ。
子供はいい。子供は飴の細工だけを
一心に見ているからな」
(参照:『無宿人別帳』文芸春秋 松本清張 )
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一人で娘を育てなきゃ、
私がいつも笑顔でいなきゃ、
と無意識に気負っている
自分の弱さを透かされたようでした。
この本はkindleで買ったのですが
紙で買い直そうと思ってます……。
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編集後記:
昨日の夜は、20年ぶり位にドラゴンボールの映画を見ました。
コワモテだったベジータのキャラが、崩壊してました (笑)
先週放送されていたクレヨンしんちゃんの映画「逆襲のロボとーちゃん」
もすごく評判が良くてですね、
父ヒロシがほんと泣かせるんですよ。
参った参った。
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