Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

柊のメルマガ 〜No.22 相手の怒りを煽る謝罪・同情を引く謝罪〜

自分が意図的に、もしくは結果として何かやらかしてしまった場合

謝罪したり責任を取ったりしなければなりません。

立場が上の人ほど、その一挙手一投足が注目されます。

 

本来謝罪したら相手も少し落ち着きそうな気もしますが

中には謝罪が下手な人もいて

こういう人は残念ながら謝罪しているのに

相手を余計ムカつかせてしまいます。

 

[自分を守ろうとしてはいけない!]

 

まずは悪い謝罪の見本から。

 

どうにかして逃げ道を探ろう

釈明しようというのが人間の性ですが

謝罪に限っては言い訳をしてはいけません。

 

なぜなら、謝罪会見などに集まっている人は

その人の言い訳なんてこれっぽっちも聞きたくないからです。

例えそれが本当だとしても

この場で自分を守るような言葉は慎んだ方が無難です。

 

一番記憶に新しいのは、都議会での「早く結婚しろ」

というヤジを釈明した鈴木議員。

今回の場合、最初は発言を否定していたかと思えば

「早く結婚してほしいという意味だった」

と聞いた全員が首をかしげるような言い訳をしていました。

 

また長崎原爆資料館で、語り部の70代の男性に

「死に損ないのくそじじい!」と中学生が暴言を吐いた件で

この生徒が通う校長は謝罪の折「暴言の前に

態度が悪い生徒1人に(語り部の方に)出て行け!と言われた」

と余計な一言を付け加えてしまいました。

 

いずれも自分の正当性を

少しでも主張したいとの思いから

このような事を言っているのかと思いますが

いらない一言付け加えると同情が集まるどころか

相手の神経を逆撫でします。

 

ではどうすれば相手が矛を納めてくれやすくなるかというと

「全て私の責任です」と言い訳せずに謝罪する事です。

 

良い見本は、Wカップで予選敗退してしまった

日本を率いたザッケローニ監督。

試合の翌日の会見では

「今回のメンバーは私が選び、戦術も私が決めた。責任は全て私にある」

と辞任の意思を表明しました。

 

するとコメント欄には

Wカップ中は監督の采配に文句を言う人ばかりだったのですが

「ザックありがとう!」というコメントが多数寄せられました。

 

もっと時代を遡ってアメリカ南北戦争。

南軍の総司令官だったリー将軍の話をしましょう。

 

激戦のゲティスバーグの戦いで

彼の部下であるピケット将軍が突撃作戦を失敗し

南軍敗走のきっかけを作ってしまいました。

リー将軍はこの失敗を他に転嫁しようと思えば

いくらでもできたのですが

南部連盟の大統領ジェファーソンにこう言って辞表を出したそうです。

 

「これは全て私が悪かったからだ。責任は私一人にある」

 

過ちの言い逃れをするのは誰にでもできます。

でも自分の過失を潔く認め

言い訳をせず謝罪する人をみると

むしろその人の価値が上がるように感じませんか?

 

ついつい言い訳をしたくなるのですが

相手は言い訳なんて聞きたくない

という事を言葉を選ぶときの参考にして下さいね。