Rion Hiragi/Resercher/Storyteller

柊のメルマガ~No.11読み書きが苦手なお子様を持つ方へ-ディスレクシア-~

私がアンガーマネジメントを一番伝えたい方達に
子育て中の親御さんがいます。

なぜなら子供へ理不尽なキレ方をする自分が
嫌で嫌で仕方なく、罪悪感の固まりになって
このままでは私も娘もダメになると思い
アンガーマネジメントを勉強し始めた、
という私自身の経験があるからです。

子供を叱る時は、親や教師が

①その子がわざと大人を困らせようとして
その振る舞いをしているのか

②そもそもその能力がなく
仕方なくその振る舞いをしているのか

注意を払う必要があります。

(Ross Greene博士の"PlanB"
という考えが元になっています)

ほとんどのケースは②に当てはまるのですが、
結果を急ぐ大人は①の枠に当てはめて
子供を叱ってしまいがちです。

今回1つケースを紹介致します。
ディスレクシアという
読み書き困難症/失読症とも呼ばれる症状。

例えば学校の音読などが
非常に苦手な事から発見されるケースもあります。

他の子と同じ様に読み書きができないと

親は不安になり→家で徹底的に学習させる
→でも全く上達しない子供にイライラ
→「何でできないの!?」「バカじゃないの!?」
等の暴言を吐く→子供はやる気をなくす

という悪循環に陥るケースが多々あります。

ディスレクシアという症状を持つ子供にとって
これほど辛い事はありません。

こちらの動画は
ディスレクシアの症状を持ったPiperさんが、
どのようにその症状と向き合ってきたのか
また今どのような才能を開花させつつあるか
大変優れたスピーチとなっています。

http://youtu.be/ugFIHHom1NU

彼女はこう語ります。

「小学校1年生の時、
先生が自分だけを小さな教室に入れて
ボードに5つの文字を並べ
『何て書いてあるか分かる?』と聞いたの。

私には分からなかった。そしたら先生は、
『これはあなたの名前よ』って。

その時の気持ちは、今でもはっきり覚えてる。
顔がものすごく真っ赤になった」

それから彼女は
1年生から8年生まで特別なクラスに通いました。

しかし何の準備もしないで受けたSATスコアでは
1350というごく平均値のスコアを出したり
「読み書きができない=彼女の知能指数は低い」
という事とは全く関係性がない事が分かります。

そして現在では芸術分野に開眼し、
アクセサリーデザインの勉強もするそうです。

スピーチをご覧になられれば一目瞭然ですが
彼女の話し方は知性に溢れています。

ただ、Onion(玉葱)のスペルをUnion
と書いてしまうのです。

普通の人とはちょっと違った脳の仕組みで。

私がこの症状に興味を持つきっかけとなったのは
昨年、1年生になったばかりの娘が
ひらがなを書くのに相当な苦労をしていたからです。

私は要領よく勉強するタイプなので
彼女の苦労が全く分からず
「この子は努力が足りない!」
と、恥ずかしながら
かなりキツく叱ってしまった事がありました。

彼女の場合は、曲線を書くのが苦手なだけで
今回のような症状には当てはまらなかったのですが
周りの大人に気付いてもらえず
傷ついている子供達がたくさんいるのではないか
と思い今回記事を書かせて頂きました。

読み書きが人より苦手で
それを努力によって克服できる子もいるし
本人の努力の他に
周りの理解と特別なトレーニングを必要とする子もいます。

ぜひその点をご理解頂ければ幸いです。