よく「アンガーマネジメントは何才から勉強できますか」と聞かれます。早ければ3才という意見もありますが、5才位(年長)からスタートするのが一番よいでしょう。5才になると、何か問題が起きた時自分も相手もハッピーになれる、いわゆる『win-win』の解決方法があると理解できるようになるからです。
ネバダ州の暴力予防機構の代表ロナルド・コーリン氏も、就学前からアンガーマネジメントを勉強する必要性に触れています。氏は昨年起きたネバダ州での中学校での発砲事件(教師1名射殺、クラスメート1名が怪我、生徒は事件後自殺)を受け、米国が抱える銃の問題よりもむしろ「怒りの感情」に目を向けるべきだと主張しています。
なぜなら怒りこそ全ての筋肉や器官を臨戦態勢に整え、攻撃や破壊につながる行動を引き起こす感情だからです。このような惨劇を繰り返さないようにするには、幼稚園の頃から怒りのコントロールを訓練し、怒りの制御について長期的に学ぶしかないと主張しています。
米国に限った事ではありません。文部科学省が昨年度、全国の学校が把握した児童生徒の暴力行為の件数を調べたところ、 小学校が8296件と、10年前の6倍に増加している事がわかりました。同省は、「感情を言葉で伝える力の低下」が背景にあるとみています。
日本ではまだ小学校でも取り入れられていない段階ですが、ごく一部の先見性のある幼稚園・保育園等ではアンガーマネジメント講習会を実施しています。今後このような意識の高い教育施設が増えると、暴力的な振る舞いだけでなく、学校のいじめ問題にも一石を投じるようになるでしょう。
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